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皇紀2685年(2025)5月

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やっかいな隣人韓国の正体/井沢元彦&呉善花 2

 李氏朝鮮の時代、世宗大王が訓民生音(ハングル)を作ったが、支配階級である両班が反対したためまったく普及しなかった。漢文が正文であり中国史が正史であるという理由だった。ハングルは諺文(オンムン)即ち卑俗な文として差別された。つまり朝鮮の知識人達は自らのオリジナリティを軽蔑したのだ。それに今では韓国人が誇りにしているハングルは、実は日本が統治時代に普及させたものである。

 秀吉の大陸出征において、武人達が手柄を示すため朝鮮人の鼻や耳を削いで持ち帰ったものを、耳塚を建てて埋葬している。耳塚は五輪塔なので供養塚である。決して戦勝碑ではない。供養するのは死んでしまえば敵も味方もみんな仏だと日本人が考えるからだ。これは靖国にも同じことが言える。

 日清戦争後の下関条約で朝鮮は大韓帝国として1000年ぶりに独立することができた。それを記念して建てられたのが独立門だが、それまではそこに迎恩門があり、宗主国であるシナ皇帝の勅使が来たら朝鮮国王は、ここで九叩頭の礼を尽くして出迎えなければならなかった。

 韓国政府にとって大きな危機が訪れようとしている。社会の民主化・情報社会化・国際化が進むに連れ、政府の行ってきた歴史の捏造が暴き出されてしまうので、その危機意識から一層親北朝鮮路線を取っている。

 朝鮮独立に最も尽力したのは伊藤博文であり、その功績によりソウルに銅像が建ってもおかしくないほどだが、逆に暗殺者の安重根が英雄視されている。安重根は併合を阻止しようとしたとされているがとんでもない見当違いで、伊藤博文はむしろ併合に反対する保護国論者であって、暗殺により返って軍部などの併合派を勢い付かせて併合を促進させてしまったのだ。

 韓国は民主的な資本主義国家の体裁を取っているが、実は中華思想に根ざした親共産主義国家であり、夷族である資本主義国家日本に対してイデオロギー闘争を仕掛けているのだ。だから仲間の中国や北朝鮮の非道をあまり問題にせず、日本だけを非難して貶めようとする。言うことが中国や北朝鮮と似ているのはそのせいだ。

 なるほど、韓国を民主的な資本主義国家の仲間だと思うからことごとく裏切られるのであり、本質は北朝鮮と同根の中華思想に根ざした親共産主義国家なのだ。アメリカに無理矢理作られた哀れな緩衝地帯国家なのだ。
 モンゴル族、女真族、満州族、日本族は中華主義の朝鮮族から見れば夷族であるが、その夷族に征服され臣従しながら、心中では蔑視するという極めて屈折した意識を持つことになった。しかもシナが夷族に征服され夷狄化してしまった以上、唯一中華主義を奉ずることができるのは朝鮮族しかいないという勝手な思い込みが、小中華主義思想を生んだ。これが現代の朝鮮民族の性格を形成した。
 なるほど、朝鮮族はモンゴル族、女真族、満州族、日本族に征服・臣従させられ、宗主国であるシナ王朝までも征服・臣従されたことで、正気を保つためには中華主義を奉ずることができるのは朝鮮族だけだと勝手に思い込んだのだ。しかし山鹿素行の言うように本当に中華主義を奉ずることができるのは日本だけであった。
 朝鮮王朝時代にイ・テゲが朱子学を発展させ、政治家や官僚が最も偉いという政治第一主義となった。それは日本統治時代を生き続けて韓国・北朝鮮にも受け継がれ、北朝鮮では朱子学の社会主義国家版というべき「主体思想」が作られた。「理=法」ならぬ「必然的な歴史法則」をもってキム・イルソンが「聖人君子」となり、朝鮮労働党の高級官僚が「賢人」として国政を執行することになった。韓国でも北朝鮮でも政治は儒教国家そのままに「愚かな民を教え諭すこと」と考えられており、徹底した上意下達方式である。
 韓国は国定教科書を使っており、普通は内容に疑いを持たない。また教育信仰が強いので学歴が最も重要視され、ソウル大学の権威たるや日本の東京大学の比ではない。二位の高麗大学とも雲泥の差がある。それは科挙制度の名残りといえる。
 朝鮮では儒教の礼に基づき、長幼の序のみならず男女の序、生業の序、家格の序、出身校の序などあらゆる面で序が尊重され、対人関係では上下がしっかりと意識される。
 だからこそ併合ではなく、征服して征服者日本人と被征服者韓国人という上下の序列をしっかり韓国民に意識させる必要があったのだ。
 朝鮮では最も尊い学術が「儒学」であり、その教えを生かす技術学問の理学・医学・経済学は下位に見られている。美術・芸能・文学は更に低い。だから政治家や官僚以外は自分の仕事を誇ることができない。

 技術蔑視の伝統があり、また地道な努力を積み重ねることが苦手だ。勇んで世界最先端の研究に取り組む者は多いが、挫折するのはそのせいだ。

 韓国人口の半分近くまでクリスチャンが増えたのは、キリスト教が韓国人向けにアレンジされ、死後天国に行けることより「現世利益」が強調されているからだ。それは「キリスト教的儒教」と言い換えてもいいものだ。

 朝鮮人には日本人の多神教に基づく自然信仰や、儒教も仏教もキリスト教も尊重するということが理解できない。西洋のキリスト教徒も異教徒と過渡的に共存するのはやむを得ないが、絶対にキリスト教が正しく、いずれみんな改宗してキリスト教徒になると信じている。しかし日本人は唯一絶対正しい宗教なんて無いし、歴史認識についてもそのように考えていると言う。しかし韓国では唯一絶対に正しい歴史認識があると考え、欧米のように科学的な歴史認識と宗教的な唯一絶対の存在を区別することすらしない。

 歴史上、朝鮮に神がいたためしはない。シナと同様、人の生き方を教えるだけである。神を知らない民族は人の目がなければいくらでも悪事を働く。ここが決定的に日本人と違うところだ。だから共に暮らせば日本人が割を食う。
 北朝鮮が韓国を併合する可能性は、北朝鮮にとって瀬戸際状況から脱する起死回生の方策なので十分有り得ることだが、一般の韓国民はそれほど危機意識を持っていない。むしろ逆に北朝鮮が崩壊していやでも北朝鮮を併合しなくてはならない羽目になることを恐れている。それを防ぐため援助を行い、国内に向けては親北へ誘導して南北国家連合を作ろうとしている。ノ・ムヒョンが国内親日派の一掃、国家保安法廃止、日米からの離反、中露への接近、統制経済の強化、マスコミの規制などを断行したのはそのためだ。
 朝鮮王朝時代の革命が失敗したのは、伝統的にエリートと民衆の知識や教養の差があまりにも大きいので、大衆が呼応しなかったからだ。北朝鮮でも同じような状況だが、これほど飢えで苦しんでいるのに立ち上がらないのは、恐怖政治による締め付けだけでなく、強固なイデオロギーで民衆が骨抜きにされているからだ。

 今後韓国に起こることとしては、米の介入による軍事クーデター、国粋派のクーデター、北朝鮮と中国の介入によるクーデター、核保有による離米などが考えられる。

 韓国人は北の核を恐れていない。同胞に核を用いることはないと思っているし、むしろ国際的に発言力が増し、日米と互角に渡り合える上に、南北国家連合が成立すれば核は韓国のものになると思っている。

 日本人の考える「共存共栄」とか「助け合い」といったバランス感覚は、朝鮮人や中国人には通用しない。そんな考えは逆に優柔不断と捉えられ、そこに相手への配慮があるのだということに気付かない。朝鮮人や中国人にははっきりと「お前達のためにしてやったんだ」と、恩着せがましいほどに言ってやった方が納得される。

 朝鮮人や中国人に対しては、相手に配慮することは一切やめた方が良い。関わりを持つ際には、日本の主張はこうだとはっきり言い続け、その上で相手に選択させることだ。戦争中のことについても何度も謝る必要はない。特に若い人が謝ると戦争中の親の罪を引き継いでいるのだと誤解されて、永遠に謝り続けることになる。ともかくいかに韓国が騒ごうとも一貫した主張をし続けることだ。日韓関係がこじれても困るのは韓国であって、韓国の偏屈な民族主義的イデオロギーなど外部にはまるで通用しないことを徹底的に自覚させてやれば良い。そうすればこのままでは韓国に未来がないと分かって必ず変わる。日本はそれを待っていれば良い。本当の国家関係はそこから始まる。

 日本がはっきり主張してやることが韓国民のためでもあるということだ。
 儒教知識人とマルクス主義知識人には二つの共通性がある。天下国家の問題を無知な民衆に教えて目覚めさせ、正しい方向に導かなければならないという、エリート知識人集団主導主義であることと、現実よりもイデオロギーを大事にすることだ。

 韓国の政党はみんな現実を見ようとしないイデオロギー過多政党ばかりだから、いくら政権党が変わっても大きな変化は期待できない。今の韓国は伝統の両班文人政治に陥っており、かつてのパク・チョンヒ軍事政権の方がよほど実行力があってましだった。

 朝鮮人に対しては言い方に配慮する必要はなく、自分の主張を端的にはっきり言った方が良い。併合についても「やむを得なかった」ことであり、しかも「植民地化ではなかった」ことも強く主張すべきである。悪いことも良いこともやったなどという言い方は誤解を招くだけで、双方にとって損である。

 キム・デジュン以降ノ・ムヒョン政権に至る韓国はそれ以前の韓国と大きく異なる。一つは極端に情緒過多で全体主義的な民族主義の流れ。戦後の韓国史を全否定する過去史清算、親日勢力・親日言論の一掃、左右両派の民族主義プロ活動家による突出した反日行動、北朝鮮支援・反北朝鮮言論の弾圧、日米からの離反・中露への接近、南北国家連合構想の推進。もう一つはIMF管理体制下における極端な経済自由化推進によってもたらされた流れ。経済格差の拡大、貧困層・生活困窮者の増加、勝ち組・負け組二極化社会の進行、倫理破壊・集団利己主義の蔓延、反グローバリズム熱の高まり、市場経済への反感。この二つは上から強引な国家社会主義的社会改革・政治改革を行った結果生み出されたものだ。

 ノ・ムヒョンは民主主義の旗手として登場したが、実際にやったことは反民主的政策であり、北朝鮮に近付こうとしている。