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皇紀2685年(2025)4月

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日韓大討論(3)

(西尾)日本の戦後社会にも似たことが言え、GHQによる破壊がかなり役立った面がある。しかしアメリカ文化に汚染されたことで、戦前の屈強な精神文化が失われるという負の面もあった。韓国も日本の大衆文化を受け入れたがらないのは、負の影響を恐れているからではないのか。

 やはり西尾氏も戦後のアメリカ文化流入の功罪を説いておられます。戦後日本の急成長には旧体制の悪しき部分の破壊が役立ったことは否定できません。
(キム)朝鮮人は原理主義者だ。儒教も支那以上に昇華発展させたし、キリスト教も世界で最も熱心な信者が多い。つまり過激な国民性だ。
 なるほど。「朝鮮人は原理主義者だ」とは、一言で見事に国民性を言い表しているように思えます。

(西尾)日本には外来の思想・宗教は根付かない。

(キム)宗教の影響力が強いほど未成熟な社会のはずだが、例外がユダヤ人と日本人だ。日本神道は人類が作り出した最も理想的な形の宗教だと思う。

 確かにユダヤ教と神道には親和性があります。古代に交わったせいかもしれません。
 神道はあらゆる宗教を受け入れますが、日本化する過程で廃れるものは廃れてしまいます。そして良い部分だけが神道に取り込まれて進化します。

(西尾)確かに神道は副作用のない宗教で、他の宗教が根付かないのは神道があるからだろう。しかし注連縄が象徴しているようにどこでも聖域にできるが範囲が狭い。だからキリスト教のように外国を侵略してまで聖域を広げようとはしない。おかしな国だ。

(キム)日本はアイデンティティがはっきりしているが朝鮮ははっきりしていない。だから不安が根底にあり、愛国心といっても明確ではない。自民族と異民族に半分ずつ愛着を持っているようなあいまいなものだ。だから日本人は自身がイメージする愛国心を韓国人に当てはめてはいけない。
 韓国人のアイデンティティは偽物だ。体制に洗脳された結果であって、体制が変わればすぐに消えてなくなる。実は韓国にはアイデンティティはないと思っている。朝鮮人は生物学的にはカザフスタン、キルギス、モンゴル、満州族、女真族と近く、支那人とは遺伝子的に関係がない。しかしアイデンティティは古来より支那に置いてきた。そして女真族こそが本来の朝鮮族だと思っている。昔は「女真」と「朝鮮」は発音が同じだったので、音を聞いた誰かが「女真」という文字を充てたに違いない。しかし朝鮮半島に入ってきた人達は大陸から来た勢力なので、女真族や満州族と分離してしまった。だから朝鮮王朝は女真族ではないし、女真族を野蛮人だとして交流しなかった。

 ということは、占領して教育すればすぐに新しいアイデンティティを受け入れるということです。また、朝鮮人は生物学的にはカザフスタン、キルギス、モンゴル、満州族、女真族と近く、支那人とは遺伝子的に関係がないと言うことは、やはりモンゴル帝国や清などに占領支配された結果、混血が進んだということでしょう。

(キム)百済は朝鮮半島だけの国ではなく、中国大陸に深く入り込んだ大きな国であった。北京や広東省辺りも百済の領内であった。新羅や高句麗ももっと大きな国であったと考えられていて、朝鮮半島に限った国ではなかった。

(キム)韓国で漢字が使われなくなったのはハングルの方が楽に使えることと、パソコンに向いていたことだ。

(キム)日本は国土だけを見れば島だが、人口や国力を見れば中国やヨーロッパ、米国に匹敵する独自の大陸であり大国だ。そして独自の文明圏だ。韓国の有名な東洋哲学者である金容玉(キム・ヨンオク)はKBSテレビで日本のことを「超強大国であり、民度や潜在力においても最高水準の国である」と言っている。日本人は敗戦で自己卑下と無気力に陥ってしまったが、自信を取り戻すべきだ。

 「日本は島国だが実体は中国・ヨーロッパ・米国に匹敵する独自の大陸であり大国だ」とは褒め過ぎでしょう。しかし一旦自信を失くすとその落ち込み様は凄まじく、それは内心自分を大国だと思っていたからかもしれません。思い当たる節があります。それにしても日本にもう少しだけ豊かな資源と広い国土があれば、アメリカの攻撃を撥ね返し、やがてアメリカを凌ぐ世界一の強国になれたのかもしれません。

(西尾)ヨーロッパ諸国は戦争ばかりしながら段々とアジアを侵略してきた。そしてアジアで得た物産と富を戦争のために使った。日本は当時のロシア・オスマントルコ・ムガール・清という四つの帝国のどれにも属さず、武士が支配していたから侵略されずに済んだ。

(キム)ヨーロッパがアジアを侵略する前に、それに必要な物をアジア自身が与えていた。8世紀に紙、12世紀に火薬、14世紀に印刷技術と羅針盤。

 今はアメリカが自分の敵であるロシアや中国に経済力・兵器・物資を与えています。日本も中国・南北朝鮮にそうしてきました。どこもおかしな国です。

(西尾)日独伊三国同盟は日本にとって大失敗だった。日本を叩こうと虎視眈々と狙っていたアメリカに良い口実を与えてしまった。もし日本が連合国側に立ってドイツ等と対抗していたら、満州はそのまま日本領土として保全され、朝鮮も併合されたままで、支那も共産化しなかっただろう。そして連合国側で協調して支那を開発することになっただろう。1935年に米外交官マクマリーが、日本を敗北させても代わりにソ連が台頭するだけで、極東にも世界にも利益にならないから止めろと忠告したのに、ルーズベルトは無視した。
 真珠湾攻撃にしてもドックを破壊しなかったことと、暗号を解読されていたことに気付かなかったことが大失策であった。

(西尾)慰安婦は古今東西どこの国にも存在したもので、今でもある。公娼制度下の当時では日本人慰安婦もいて、韓国人を差別したわけではない。

(キム)韓国の従軍慰安婦達が公の場に出るようになったのは90年代だ。彼女達の中には結婚したり事業に成功して幸せに暮らしている人達もいるが、そういう人達は沈黙している。激しい抗議をしているのは失敗した人達だ。成功していたら過去の恥を公言するはずがない。また、この人達は大部分が騙されて連れて行かれたと言っているが、記録を見ると慰安婦を募集する業者が両親に当時の金で2,000円ほどを渡して娘を連れて行ったケースが多い。軍隊は慰安婦募集に関わっていない。業者が連れてきた女性を健康診断して管理していただけだ。

(西尾)日本にも敗戦後アメリカ占領軍のために日本人慰安婦が20万人ほどいた。しかし自分がかつて慰安婦だったことなど絶対に口外しない。

 と言っても居たことは事実ですし、その後どのように暮らしたのでしょうか、またその子孫たちは何をしているのでしょうか。ひたすら過去を恥として隠し続けているのでしょうか、あるいは居直って生きているのでしょうか。

(キム)韓国人慰安婦も女性運動団体に焚きつけられて証言するようになった。金ももらえるので本当に慰安婦だったかどうかもわからない。しかし本当に罪を問われるべきなのは娘を騙した両親だ。朝鮮では親が子供の生殺与奪権を持っており、殺すことも容認されていた。日帝時代には総督府の官吏達に自分の子供を奴隷や妾として捧げたこともある。

(西尾)ナチスも同様の慰安婦施設を持っていたが、ユダヤ人ホロコーストに比べれば取るに足らない問題とされた。韓国もベトナム戦争時にライタイハンと呼ばれる私生児を約7000人残してきている。だからお互いこんな問題で糾弾し合うのはやめた方がいい。
 従軍慰安婦問題を取り上げたのは朝日新聞だが、盧泰愚大統領は迷惑だと言わんばかりだった。しかし日本側から言い出したことだけに謝れと言わざるを得なかった。そうしたら宮沢喜一と河野洋平がペコペコ謝った。謝れば済むと考えたのだ。そこで韓国に首根っこをつかまれて今度は賠償金を支払えと言ってくるようになったのだ。

 朝日新聞や吉田清治は善人ぶって新たに戦争の種を蒔いたのです。そのせいでどれだけ多くの無辜の民が犠牲になることでしょうか。外国に渡った日本人女性がこのことを理由に襲われる危険があります。

(キム)戦後、韓国で反日機運が高まったのにはアメリカの政策があった。李承晩は反共教育と平行して反日教育を奨励したが、その背後には日本を強大国として再興させてはならないというアメリカの意思があった。

(西尾)アメリカはサンフランシスコ平和条約で日ソ間の領土の境界を明確にしなかったが、それはきっと永遠の争いの種にするためであったと思っている。アメリカは世界中でその統治方法を採用している。

(キム)戦後、外国にいた独立運動家達が韓国に帰国し政治的主導権を握った。しかし彼らはまともに独立運動などしたことがない、ただの馬賊、テロリスト、ルンペンのような連中だった。これが韓国の悲劇の元だった。

(西尾)日露戦争について日本の「新しい歴史教科書」では、「近代国家として生まれて間もない有色人種の国日本が、当時世界最大の陸軍大国だった白人帝国ロシアに勝ったことは、世界中の抑圧された民族に独立への限りない希望を与えた」と書いている。しかし韓国は次のような文句をつけてきた。満州と朝鮮の支配という戦争目的を隠蔽しており、白人と黄色人種の対立という構図を取ることで、朝鮮侵略のための戦いを日本が黄色人種を代表して白人と戦ったように書いていると。ところが安重根は獄中で日本の勝利を大いに喜び、昨日までの日本に対する憎しみがたちまち消えて、逆に一大愛種党になったと書いているのだ。つまり韓国の文句には安重根ですら納得しないだろう。

(西尾)日本は戦後、欧米諸国に対してはまったく罪の意識を持たないが、近隣諸国に対しては迷惑をかけたという意識がある。特に朝鮮戦争による特需で素早く復興を成し遂げられたことが、よけいに恐縮する気持ちを抱かせた。そのせいで中韓からのクレームに強く反論することをしなかった。しかし中国ではソ連の崩壊で共産主義を否定せざるを得なくなったため、共産党の正当性を証する根拠を日本との戦争に勝利したことに求めた。韓国では李承晩による反日教育を受けたハングル世代が大人になってから反日が激しくなった。そうした中韓の背景や意図を理解している言論人は日本でも1割ぐらいしかいない。

(キム)韓国を過大評価してはいけない。韓国の民主化が始まったのは1994年からで、それ以前はずっと軍事独裁政権が続き、洗脳教育が行われていた。さらに民主化は徐々に浸透していったので、思想・言論の自由もまだ十分ではない。しかし少しずつ変わって来ている。日韓間を行き来する人も増えて、真実を知る機会が増えている。

(西尾)日本がアメリカへの防衛依存から脱するためには、国内の軍事大国化を嫌う勢力を説き伏せなければならない。そのためには日本が戦った過去の戦争が、アメリカに対して正義の戦争であったという自己革新を持つことから出発しなければならない。

(西尾)保守にも二通りあって、極めて自覚的な保守は問題ないが、何もしない保守、現状維持に汲々とする保守、平和の念仏にすがる生温い無自覚な保守は、日本を危うくする。彼らはマルクスを用いないマルクス主義者だ。そしてシロアリのようにこの国の土台を食い荒らしている。保守を語って保守内部を骨抜きにしている。朝日新聞の社説はそういう勢力の象徴だ。