アメリカはどれほどひどい国か
(日下公人・高山正之)
キリスト教の聖書は奴隷制を当然のことと記している。奴隷売買も公認しているので、その教えとアメリカ人の蛮行は矛盾しない。
白人優越主義はキリスト教から来ている。
ピューリタンは黒人を奴隷として活用する一方、インディアンは即殺戮した。この人種観を忘れてはいけない。そもそもインディアンのワンパノアグ族に命を救われて冬を越し感謝祭を祝っていたのに、ピューリタンは酋長の後を継いだ長男と次男を殺害してその首を町に20年間晒し、その妻子や部族全員を奴隷として売り払った。それ以来アメリカ人はインディアンを見つけ次第殺した。その理由はインディアンは誇り高く、奴隷の身分に決して甘んじなかったからであった。白人の世界侵略に対抗して決して奴隷にならなかったのはインディアンと日本人だけだ。
アメリカが分裂と経済崩壊を回避するには、キリスト教的な「労働は罰」という意識を捨てなければならない。
いよいよアメリカ支援の鉢が回ってきてもまず断れ。断り続けることで日本に有利な条件を得ることができる。そして例えば「核兵器を日本に渡せ」「世界救済ファンドの金庫の鍵を渡せ」と言えばいい。
中川昭一元大臣の泥酔会見をアメリカのCNNなどが大々的に報じたが、そこに人種偏見の影を見た。日本人はアメリカ人の人種意識の強さを理解しなければならない。アメリカは決して人種の坩堝ではない。白人の心理を理解しないと大変なことになる。
白人の植民地は3層構造の間接統治になっていた。それが憎まれずに済むうまいやり方だと心得ていたからだ。最低辺に地元民がいて、次に異民族の警官や商人などがいて、一番上に白人がいた。地元民が日常的に接する異民族に不満をぶつけて諍いが起こると、白人が出てきてとりなすというわけだ。
横田や横須賀といった米軍基地は、アメリカに対する蜂起があった時に備えたビンの蓋だ。
1972年ニクソン大統領とキッシンジャーが北京を訪れ、周恩来との間で「日本にだけは核武装させない」「米軍は日本から出て行かない」「日本には台湾と朝鮮をめぐる問題で発言させない」という三つの密約を交わしている。
【日下公人による日本核武装への16階段】
- 首相に靖国神社四月例大祭に参拝してもらう
- 非核三原則を廃止すると宣言する
- 集団的自衛権の行使を肯定する
- 武器輸出を認める
- 村山談話を否定する(これから勉強すると言って保留にしておけばその後は無効になる)
- 内閣法制局の憲法解釈を変える
- 情報機関を新設する
- 北朝鮮をテロ国家に指定する
- 京都議定書無効化宣言をする
- 六ヵ国協議を脱退する(新六ヵ国協議を提案して日本が議長国となって要求を明確にし、前進がなければ脱退すると宣言する)
- 核拡散防止条約を脱退する
- 国連に歴史問題には時効を設けるよう提案する
- 国連またはG7の場でサブプライム問題については自国処理の原則を提案、あるいは宣言する
- 米国債の引き受けには円建てと担保付を条件とする
- 新国連か別国連の創設を提案し実行する
- 「日本の道(Going Japanese Way)」を宣言し、栄光ある孤立の道を選ぶ
