戦争裁判の始まり
第二次世界大戦は今までの戦争と違い、宣戦布告で始まり、講和で終わり、また平和が訪れる、というものではないだろうと予見した賢人がいました。京都学派の哲学者、高坂正顕です。実際にアメリカとイギリスは戦争前から、戦争が終わったら平和条約を結んで領土や賠償でケリをつけるのではなく、戦争裁判を起こし相手を徹底的な犯罪国家に仕立て上げてしまおうと考えていました。何故そんなことが必要なのかと言えば、戦争当事国の存亡に限らない共栄圏を賭けた戦いだったからです。つまり世界全体の秩序を決定する主体的国民という自覚があるので、互いの共栄圏構想の正邪をはっきりさせなければならなかったのです。その結果ナチスの第三帝国構想は消え、日本の大東亜共栄圏構想も消えました。そして米・ソをそれぞれ首領とする自由資本主義圏と共産主義圏の対立が始まりました。しかし実は共栄圏を賭けた理想の総力戦を遂行できるのは日本だけなのです。何故かと言いますと、欧米列強はアジアを侵略し植民地化しようとしていただけですが、日本は逆にアジアを解放し各国を独立させようとしていたからです。
戦後も総力戦は続いている
第一次世界大戦中のドイツ軍トップであったルーデンドルフが唱えた「全体戦」と、今日言われている「総力戦」は違うものです。総力戦は戦時と平時の区別がなく、戦後も戦争が続きます。そして武力や経済や文化などの一切を統一している深い所から力が盛り上がってきて、それが戦力という形になると考えます。だから戦後もアメリカの対日戦争は続いているのです。現にアメリカ流の秩序を押し付けられて、日本は今日まで生きてきました。戦後の戦争は武力ではなく、武力を背景とした経済戦とか外交戦に移っています。表面的には平和でもお互いが自分の秩序を主張する戦争が続いているのです。
平和が戦争を生み、戦争が平和をもたらす
平和が戦争を生み、戦争が平和をもたらす。だから戦争が無くなる事は考えられず、戦争は必要だということになります。そして戦時と平時の区別がなくなるということは戦争が永続化することになります。戦後アメリカがやってきたことは正にこれで、「創造的、建設的戦争」をし続け、垣間平和な時も明日の戦争の準備をしているのです。
今次の戦争は思想戦
今次の戦争は第一次世界大戦中期~末期に盛んであった宣伝戦・謀略戦とは本質的に違い、秩序または世界観の転換戦なのです。それは即ち思想戦なのです。しかし米英には日本のように堂々たる大儀はありません。日本には「東亜の安定を確保する」という大儀がありますが、米英にはアジアを侵略し植民地化しようとする野心があるだけです。
米英が行ってきた不当な犯罪行為
米英がドイツに対して開戦できた明確な理由はホロコーストでした。しかし日本に対しては理由が何一つありません。だから21世紀に入った現段階においても、ドイツとの戦争に関するありとあらゆるデータはオープンにされていますが、日本との開戦前後のデータはまだ隠されたままなのです。普通は50年経過すれば外交資料を公開するものですが、アメリカ政府は100年経たなければ公開しないと言っています。それは公開すると米英が行ってきた不当な犯罪行為が明らかになってしまうからです。だから100年経っても公開しない可能性が充分あります。
しかし、結局アメリカは日本を叩いたことで中国という巨大な市場を失い大損しているのです。その上、中国を共産化させてしまいました。戦争目的を間違えた上に大きく国益を毀損しているのです。だから余計に恥を晒したくないのかもしれません。