戦後の敗北感のなさ
戦後の日本人の敗北感のなさは、ポツダム宣言で天皇が断罪されず国体が守られたことから来ているのではないでしょうか? それまでの外国の例では敗戦国の皇帝や王は追放されるか幽閉されるか処刑されていました。しかし日本では現行の天皇がそのまま在位し続け、皇族も11宮家51名が皇籍離脱されたものの、それ以外はそのまま維持されたのです。ですから今回の戦争は戦闘に敗れたため一時的に有条件降伏しただけであり、そのため国体も守られたのだと思っている人が多いのでしょう。もちろん敗戦したとは思いたくなかったこともあるでしょうが、それは正しい認識です。日本人の天皇に対する尊崇の念の強さを知り、特攻隊の攻撃や玉砕戦法を見て日本人の恐ろしさを思い知ったことから、アメリカも国体を破壊することまではとてもできなかったのです。
敗戦後遺症を克服できない要因
日本人が敗戦後遺症を克服できない三つの要因として「東京裁判」「日本国憲法」「人間宣言」が挙げられます。どれもデタラメでナンセンスなものですが、人間宣言は特にナンセンスなものです。元より天皇は現人神(あらひとがみ)などではなく、最高位の祭主に過ぎなかったからです。明治政府により欧米列強のキリスト教に対抗するため現人神に祭り上げられるまではそうだったのです。それが終戦とともに人間に戻ったと言うだけのことなのです。しかし三島由紀夫は「英霊の聲」の中で何度も「などてすめろぎは人間となりたまいし」と繰り返して大いに嘆きました。彼には天皇に対して余程強い思い入れがあったのでしょう。
日本人固有のエッセンス
日本人には外国人には理解できない固有のエッセンスがあり、そうした日本独特の文化は守り抜かなければなりません。敗戦時、天皇は国家元首であったにもかかわらず国民の尊崇を保ち続けていたことは世界史の奇跡です。天皇が人間宣言を強制されてもそれは無意味なことです。神が自ら「神ではない」と言ったところで神性を失うわけではありません。かつて三島由紀夫は死の寸前に言いました。「日本を日本の真姿に戻す。日本には生命尊重以上の価値が存在している。それは自由でも民主主義でもない。日本だ。我々の愛する歴史と伝統の国、日本だ」と。この言葉に共鳴する旧家の人々は多いのではないでしょうか?
天皇の存在価値
日本人は天皇の存在価値をよくよく噛みしめて知る必要があります。なぜアジアで日本だけが唯一の先進国なのでしょうか? なぜ非キリスト教国で唯一の先進国なのでしょうか? なぜ中国や韓国が先進国になれないのでしょうか? それはすべて天皇の存在に行き着きます。それほど天皇の存在価値は大きいのです。
日本を単一の文明国家たらしめているもの
日本を世界のどの文明にも属さない単一の文明国家たらしめているものは何でしょうか? それは「神道」です。そしてそれを中心で支えているのは「天皇」です。それがなければ日本文明は内から溶解し中華文明に飲み込まれていたでしょう。