★ 5月12日に最新記事を投稿いたしました ★

皇紀2684年(2024)1月

この記事は約3分で読めます。

大東亜戦争後の日本

 大東亜戦争後、神の国であるはずの日本が史上初めて外国に敗戦し、占領されたことのショックは大きかったと思います。しかし旧家にとってはそれに留まらず、敗戦の混乱に乗じて嵐のように吹き荒れた共産主義思想により日本の伝統的な価値観が過剰に貶められ、農林省が主導した(GHQではない)農地改革によって旧家は代々所有してきた土地を奪われ、また公職追放令によって社会的地位も剥ぎ取られてしまったことのショックも大きかったと思います。
 戦争に負けたのだからしかたがないという思いがあったものの、旧家の人々はその血に染みついた伝統的価値観を急激に転換させることが出来ず、強い違和感を抱えたまま戦後を過ごして来られたのではないかと思います。私の父親もそうではなかったかと思います。その結果、日本人は旧家の人々に限らず急激な価値観の転換によるアノミー(規範の喪失状態)に陥ってしまったように思います。
 また戦後教育は共産主義に傾倒した左翼教師たちによって、日本を周辺諸国を侵略した戦争犯罪国家であるとして自虐史観を生徒に教え込みました。伝統的な家父長制の父親の権威を否定し、子供からも根本規範を失わせました。そんな日本人がアノミーから脱するには規範を取り戻すことと連帯感を取り戻すことが必要です。父の権威が規範を与えるのです。権威と規範のある父親による最悪の教育は、これがない最良の教育よりましだと言われる所以です。そしてそれを主導できるのはノブレス・オブリージュ(優者の義務)の精神を持ち続け、節度を守って暮らしてきた旧家の人々だと確信しています。
 旧家の人々はかつて地域の知識人であり、リーダーでもありました。その旧家の持つ伝統と価値観が戦後著しく荒廃したことが日本人から正気を失わせたのです。その伝統と価値観を回復させるために旧家は一致団結して大きな勢力となって自らの地位を向上させると共に、日本を再びリードして先進的民主国家を築いてゆく力にならなければならないと思います。そのためには先ず戦後押し付けられた国際法違反の占領憲法をさっさと破棄し、歴史と伝統に根差した君民共治の自主憲法を制定すべきです。

昭和天皇の奇蹟

 昭和天皇は敗戦国の国家元首であったにもかかわらず、処刑されるどころか退位させられることもなく、引き続き在位し続け、2605年間続く日本の国体は守られました。もちろんアメリカにも時の世界情勢に基づく深慮遠謀があってのことでしょうが、世界史的にも例のない奇蹟的なことでした。

旧家の再評価と地位向上

 日本は敗戦しながらも天皇を戴くかけがえのない国体を護持し続けており、こんなことは世界の歴史上前例のないことでした。そして首の皮一枚で繋がった伝統的価値観の継続を日本再興の原動力にしなければなりません。そのためにはそれを担う旧家の再評価と地位向上がどうしても必要なのです。

天皇の人間宣言

 天皇は人間宣言をさせられました。明治以降、国民から現人神として恐れ敬われていた天皇がただの人間であると宣言したことで、日本人は天皇教という精神的基軸を失い急性アノミー(規範、連帯意識の喪失)に陥ってしまいました。言うなれば日本は「父なき社会」になってしまったようなものです。それは一般家庭にも影響して伝統的な家父長制度が崩壊し、「父なき家庭」が増え始めました。それは旧家でも同様で、言うなれば地域の父であり権威であった旧家から権威がなくなり、そればかりか共産主義思想の広まりで、地方の旧家は悪しき封建領主の残滓とされて、貶められ駆逐される存在になってしまったのです。

アノミーの人々が求めたカリスマ

 「父なき社会」となって権威を失いアノミーに陥った人々は、父に代わって規範を与えてくれるカリスマ的人物を求めるようになりました。それが新興宗教の教祖だったりテレビやスポーツ界のスターだったのです。しかしそれが次の悲劇を生んでしまいました。オウム真理教がその最たるものでしょう。