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皇紀2684年(2024)10月

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ノブレス・オブリージュの精神

 カネが権威となった社会では階層的に地位が固定していないためノブレス・オブリージュ(優者の義務)の精神が生まれません。敗戦によって日本は健全な社会を維持するために必要な役割を果たすべき者を失ってしまったのです。だからこそ旧家の再評価と地位向上が必要なのです。

アムステルダムの光芒

 平成3年(1991年)、日本の傷痍軍人会代表団が大東亜戦争の対戦国であったオランダを訪問した折、同国の傷痍軍人会代表と共に首都アムステルダム市長主催の親善パーティに招待されました。以下はその時のアムステルダム市長エドゥアルト・ファン・ティン(Eduard van Thijn)氏の歓迎の挨拶です。憲兵少尉のシベリア抑留経験者、溝口平二郎氏(平成9年3月14日逝去)が録画していたのを、後に(財)日本国防協会理事の浅井啓之氏が文章に起こし、平成6(1994)年3月24日作成しました。


 この市長主催の親善パーティに招待されたことは、私(平太夫)が日本傷痍軍人会に電話で確認いたしましたので事実です。しかし「Eduard van Thijn」なる市長は市の記録になく、ネットでは架空の人物か他の人物と間違えているのではないかと言われています。


 「あなた方日本は先の大戦で私共オランダに勝ったのに大敗しました。今日本は世界1、2位を争う経済大国となりました。私達オランダはその間屈辱の連続でした。すなわち勝ったはずなのに貧乏国になりました。戦前はアジアに本国の36倍もの面積の植民地インドネシアがあり、石油等の資源産物で本国は栄耀栄華を極めていました。今のオランダは日本の九州と同じ広さの本国だけになりました。日本人は諸民族に大変迷惑をかけたと自分を蔑みペコペコ謝罪していますが、これは間違いです。あなた方こそ自ら血を流して東亜民族を解放し救い出す、人類最高の良いことをしたのです。あなたの国の人々は過去の歴史の真実を目隠しされて、今次大戦の目先のことのみ取り上げ、あるいは洗脳されて、悪い事をしたと自分で悪者になっていますが、ここで歴史を振り返って真相を見つめる必要があるでしょう。本当は私達白人が悪いのです。100年も200年も前から競って武力で東亜民族を征服し自分の領土として勢力下にしました。植民地や属領にされて永い間奴隷的に酷使されていた東亜諸民族を解放し共に繁栄しようと、遠大にして崇高な理想を掲げて大東亜共栄圏という旗印で立ち上がったのが貴国日本だったはずでしょう。本当に悪いのは侵略して権力を振るっていた西洋人の方です。日本は敗戦したがその東亜の解放は実現しました。すなわち日本軍は戦勝国のすべてを東亜から追放して終わりました。その結果アジア諸民族は各々独立を達成しました。日本の功績は偉大です。血を流して戦ったあなた方こそ最高の功労者です。自分を蔑むのを止めて堂々と胸を張ってその誇りを取り戻すべきです。」

 親善パーティの参加者全員が感動したのは言うまでもありません。ヴァン・ティン氏はやがて国民から推されてオランダ王国の内務大臣に選ばれました。現在日本に謝罪と倍賞を求めている国は日本と戦っていない共産党中国と南北朝鮮だけです。世界から見ても日本の「私達日本が悪」という自虐史観は異常なのです。全ての日本人が真の誇りを取り戻して祖国を素直に愛せるようになることを願っています。

旧家の人々との違い

 昔から武士には尊王思想がありましたが、農民や町民にはありませんでした。しかし知識人であった旧家にはありました。だから旧家の人々とそれ以外の人々とでは価値観が違っていました。

旧家に残る伝統的精神文化は日本の宝

 旧家には古き良き日本固有の伝統的精神文化が生き残っており、それは今も変わらぬ日本の宝です。その精神文化と外国の精神文化を上手に融合させ、独自に発展させたからこそ日本は優れているのであり、またその精神文化を地方の隅々にまで浸透させ、定着させたのは旧家なのです。

公益資本主義に戻す

 アメリカの余りにも偏った物質文化、マネー文化は、矛盾が表面化してきて遂に反動期を迎え、収縮しようとしています。アメリカ社会は不自由と不平等と不正選挙がまかり通り、民主主義は死んでしまいました。日本もこのままではアメリカに追従して死んでしまいます。この窮地を救えるのは時代を越えて日本を裏で支え続けてきた旧家に残る伝統的精神文化だと思います。マネーに支配されるアメリカ型の私益資本主義に辟易して、怠惰な社会主義に陥ろうとしている日本を復活させるには、本来あるべき公益資本主義に戻すことです。